共働き夫婦というと、収入が2つあるので、片働き夫婦に比べるとお金が貯まりそうな印象がありますよね。しかし、共働きにも関わらず貯蓄できていない夫婦は多いものです。
我が家では、結婚してから3年でちょうど1,000万ほど貯蓄をすることができていますが、そんな私たちが考える「貯蓄ができない共働き夫婦の特徴」を4つ紹介します。
データから見る共働きと片働きの年収と貯蓄
平成26年全国消費実態調査によると、片働き夫婦の平均世帯年収は600万、共働き夫婦の平均世帯年収は760万だそうです。少し情報が古いですが、次の全国消費実態調査は平成31年ですので、有業者の人数ごとの情報が把握できる政府統計はこれが最新のようです。
もう少し細かく見ると、以下になります。
年収 | 割合(共働き) | 割合(片働き) |
200万未満 | 0.92% | 3.32% |
200万〜300万 | 2.47% | 7.30% |
300万〜400万 | 7.60% | 13.74% |
400万〜500万 | 12.96% | 16.44% |
500万〜600万 | 14.17% | 15.66% |
600万〜800万 | 26.31% | 23.37% |
800万〜1000万 | 17.52% | 11.53% |
1000万〜1250万 | 10.70% | 5.63% |
1250万〜1500万 | 4.81% | 1.56% |
1500万以上 | 2.53% | 1.43% |
やはり、収入だけみると共働きの方が高いことがわかりますね。当然、きちんとお金をやりくりすれば、片働きより貯蓄ができるはずです。しかしながら、貯蓄ができていない共働き夫婦はたくさんいます。先ほどのデータの続きを見てみましょう。
年収 | 貯蓄現在高(共働き) | 貯蓄現在高(片働き) |
200万未満 | 301万 | 381万 |
200万〜300万 | 579万 | 535万 |
300万〜400万 | 559万 | 686万 |
400万〜500万 | 691万 | 923万 |
500万〜600万 | 824万 | 1,046万 |
600万〜800万 | 957万 | 1,294万 |
800万〜1000万 | 1,307万 | 1,804万 |
1000万〜1250万 | 1,704万 | 2,159万 |
1250万〜1500万 | 2,216万 | 2,723万 |
1500万以上 | 3,380万 | 3,358万 |
不思議なことに、政府統計では共働き夫婦の方が貯蓄が少ないんですね。別の項目に負債現在高もありますが、概ね似たような傾向にあり、片働きの方がうまく貯蓄ができているようです。
消費支出をみると、片働きも共働きもそう大きく違いはないようですので、考えられる要因としては、「夫婦で財布が異なるなど、統計上表れない別口座が存在する」「支出に計上されていないお小遣いが多い」といったところでしょうか。
何れにせよ、収入が多いはずの共働き夫婦の方が貯蓄ができていないというのは驚きですね
共働き夫婦が貯蓄ができない理由
それでは、貯蓄ができない理由を見ていきましょう。
パートナーの年収を知らない(教えない)
私からすると信じられないのですが、昨年10月のマイナビニュースによると、共働き夫婦の18.4%がパートナーの年収を知らないと答えたそうです。
パートナーの年収を知らない場合は、これ以降の全ての特徴に当てはまる最悪の状態でしょう。夫婦それぞれが相当貯蓄に対する意識が高くない限り、貯蓄できないと思います。意識が高ければ、そもそもお互いの年収を知らないということはないと思いますが・・・。
夫婦間で財布が別
夫婦で共通の財布を用意しておらず、それぞれの収入はそれぞれの財布で自由に使い、必要なお金をお互いに出し合っている、いわゆる「夫婦別財布」の状態。先ほどのマイナビニュースによると、共働き夫婦の約半数がこの状態だそうです。これも、貯蓄が貯まりづらい状態です。
家賃や光熱費などは夫、食費や生活費などは妻。必要経費"だけ"をお互いに出し合い、残ったお金はそれぞれが管理する。夫婦別財布の場合、大半はこういったやりくりをしているんじゃないでしょうか。
この「残ったお金」は、果たしてどれくらい貯蓄に回っているのでしょうか。そもそも、それは夫や妻個人の貯蓄なのか、家庭としての貯蓄なのか、どっちなんでしょう。当たり前ですが、それは夫婦で話し合わない限りわかりません。
「パートナーが貯蓄してくれているだろうから、私はある程度使っても大丈夫だろう」とお互いに考えていて、マイホームや子育てなどお金が必要になった時に全然貯蓄がないことに気づいてももう手遅れですよね。
夫婦それぞれが倹約家であれば夫婦別財布でも問題ないですが、そうでなければ必要経費以外に貯蓄するお金も出し合わないとダメですよね。
貯蓄の目標額を決めていない
先ほど「貯蓄するお金も出し合う」ということを書きましたが、ただ闇雲にお金を出し合うだけでは不十分です。なんのための貯蓄なのかを夫婦できちんと話し合い、月ごと、年ごとの貯蓄の目標額を決めた上で貯蓄をしていくべきです。
ライフステージにおいて、貯蓄をしやすい時期というのは一般的に3回あると言われています。貯蓄がしやすいライフステージと、それに合わせた一般的な貯蓄の目標を説明します。
独身または夫婦二人だけの期間
この時期は、人生で一番金銭的に余裕があり、貯蓄を作りやすい期間になります。特に、独身で実家暮らしの場合や、共働きの場合は、きちんと管理すれば相当な余裕が産まれるはずです。年間を通じて少なくとも2割、できれば3割程度は貯蓄に回したいところです。
しかしながら、余裕があるが故に、一番浪費しやすいのもこの時期です。この時期の貯蓄は、独身であれば結婚資金、夫婦二人であればマイホームの頭金や子供のための費用、となってくるかと思います。それぞれの目標を明確にして、いつまでにいくら貯蓄するのかを考えて、それに向けて貯蓄をしていくと良いでしょう。
子供が小学校を卒業するまで
私立の小学校や高級な習い事など一部のケースを除けば、この時期も比較的家計に余裕がある時期です。中学受験を目指す場合でも、小学校低学年までは余裕があるでしょう。共働きの場合、妻が育休の取得や時短勤務をするケースが多いですが、この時期を乗り越えればそれなりに余裕が産まれます。
この時期の貯蓄は、将来に向けた子供の学費に充てることが多いでしょう。中学・高校・大学、どこまで公立でどこから私立なのか、その通りに行くとは限りませんが、色々なパターンを組み合わせて子供がやりたいことを実現できるように、夫婦で話し合って目標額を決めて貯蓄をしていくと良いでしょう。
子供が高校・大学に通っている間は、年収の4割ほどが教育費に消えるというデータもあります。あとで苦労をしないよう、早めに貯蓄をしておくと良いでしょう。
子供が独立した後
子供が独立すれば、家計の多くを占めていた教育費がなくなりますので、自ずと貯蓄ができるようになります。夫婦の年齢次第ではありますが、ここからは老後に向けての貯蓄ということになります。
子供を産んだ年齢によっては、3回目の貯め期はこない可能性があることは、あらかじめ予想ができるはずです。その場合は、早い時期からお金にまつわる話し合いを夫婦でしておくことをお勧めします。
ココがポイント
それぞれ目的に合わせて目標金額を設定して貯蓄していこう!
生活水準が上がりやすい
共働きの場合、金銭的に余裕があるが故に、生活水準が上がりがちです。先ほど説明した通り、ライフステージの「夫婦二人だけの時期」は一番貯蓄できる期間です。しかしながら、金銭的に余裕があるが故に、生活水準が上がりやすい時期でもあります。
夫婦二人のうちは、そんなに家計に気を配らなくても勝手にお金が貯まっていたのに、子供が産まれて育休や時短勤務になった途端に気がついたら家計が赤字になっていた、なんてこと、ありませんか?
そうならないためには、日々どれくらいのお金を何に使っているのかを把握ことが大切です。家計簿をつけるなどして、まずは日々の支出を把握するようにしましょう。そうすることで、毎月どれくらいの支出かわかってきますので、「今月は使いすぎたから来月は少し抑えよう」といった意識も湧いてきます。
一度上がった生活水準を落とすのは、なかなか難しいものです。ですので、金銭的に余裕があるうちからきちんと支出を管理して、そうならないようにしていきたいものですね。
我が家の場合
ここまで、共働き夫婦が貯蓄をできない理由を4つ説明しましたが、我が家はどうなのかをご紹介します。
我が家では、現時点でちょうど結婚してから3年ほどになり、昨年子供が産まれました。先ほど説明したライフステージの1つ目が終わった段階ですね。
実績としては、3年間の夫婦の年収のうち、3割以上貯蓄することができています。可処分所得で見ると、4割以上は貯蓄できていることになります。金額にして1000万。なかなか頑張りました。
貯蓄できた要因は、
- 結婚する前からお金の管理について話をしていたこと
- 夫婦の収入を同じ財布で管理し、共同で家計簿をつけて収入と支出の管理をしていたこと
- 目標の貯蓄額を決めていたこと
- 子供が産まれるまでは、比較的家賃の安い賃貸マンションを選び支出を抑えたこと
といったあたりでしょうか。
それでも、節約をしてばかりいたわけではありません。乾燥機付き洗濯機や大型冷蔵庫といった大型家電も揃えましたし、それなりな頻度で旅行にもいきました。
大切だと感じたことは「お金について夫婦で話し合う」と「節約するところとお金を使うところでメリハリをつける」ということです。
夫婦で話し合うのはこれまで説明した通りです。貯蓄ができない4つの理由の原因は、全て夫婦の話し合いが足りていないから起きることです。
もう一つ、「メリハリ」も大切です。ただ節約して貯蓄しているだけでは楽しくないですよね。
「今月は美味しいレストランに行こう」
「来月は温泉宿で一泊二日で旅行しよう」
こんな風に、日々は節約しつつ、定期的に夫婦で楽しめるイベントを用意すると、貯蓄を続けるモチベーションにもなると思います。
私たちの場合は、毎月一定の額をレジャー用のお金として別枠で貯蓄をして、その中で行ける範囲で小旅行に行くようにしていました。これならば、ちょっとしたレジャーにお金を使いすぎることもありません。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、共働き夫婦が貯蓄できない理由を4つご紹介しました。貯蓄はできる時期にしておかないと、後々辛くなります。とはいえ、無理に節約して貯蓄ばかりしていても楽しくありません。
日々の生活にメリハリを持たせて、楽しく貯蓄していけると良いですね!