こんにちは。
5/12に朝日新聞本社で開催された、三井健太さんによる著書「選手村マンション 晴海フラッグは買いか?」の発売記念講演に言って話を聞いてきました。
この記事では、講演内容の中から面白かった点を抜粋してご紹介したいと思います。
三井健太さんとは?
元大手デベロッパーにて用地取得から企画設計、営業まで実務を経験し、マンション作りの全てに精通されており、退職後にマンションを評価してレポートするサービスを提供しているマンションアドバイザーです。
マンションの物件評価や10年後の将来価格予想など、なかなか面白いサービスを提供しており、最近では著書を通じた依頼も多いらしく、大変お忙しいのだとか。
1レポート5時間ほどかかるので、1日で3件15時間が限界です、とか言ってて、スーパーマンかと思いました。笑
講演のテーマは「晴海フラッグは買いか」
前回、私自身も晴海フラッグのモデルルームを見学に行ったので旬な話題ではあります。何かと注目されている選手村マンションをはじめとして、買うべき新築マンションや中古マンション市場の中長期展望、といった内容をお話されていました。講演が1時間、その後の質疑が30分、といった具合です。
配布されたレジュメは17ページもあり、とても1時間で全て話せる内容ではありませんでしたので、比較的駆け足となる内容ではありましたね。
買うべきマンションの見分け方
三井さんの著書「マンション大全」にかなり詳しく書いてあるので、マンションの購入を検討されている方はぜひこちらを一読してみることをお勧めしますが、こちらに書いてあるエッセンスを元に色々とお話をしてくれました。
ポイントとしては、
- これから(特に首都圏の)マンションの価格が大きく下がることは、まずない
- 下がったとしても、近年上昇した分だけの下落幅は過去を見てもない
- 結論としては、新築マンションをどれだけ待っても無駄。
中古も含めて今市場に出ている選択肢の中からベストなものを選ぶのが良い
というあたりでしょうか。
- オリンピック後まで待てば安くなるかもしれない・・
- もっと良い物件が出てくるかもしれない・・
などと待っていると、いつまで経ってもマンションを買うことはできず、その間に家賃をドブに捨て続けることになる、ということのようですね。
家に大切なのは「快適性」と「資産性」
マンションを選ぶにあたり、個人的な事情を抜きにした、客観的にもっとも大切な指標は「快適性」と「資産性」というお話がありました。
「快適性」は、当然マンションで家族が暮らすわけですから、当然ですね。実際、モデルルームの見学などにいってもわかりやすくイメージしやすいですよね。
もう一つ、我々初心者が見落としがちだけれども最も重要なものが、「資産性」です。
資産性を測る上で、細かい設備などは、後からつけられるものも多く、古くなったら交換しなければならないものなので大した問題ではないとのこと。
後から変えられないもので最も大切なものは、やはり「立地」だそうです。できれば駅直結やペデストリアンデッキで直結、そうでないとしても限りなく駅には近い方が良い。
言われれば当たり前ですが、専門家からはっきり言われると、改めて考えさせられますね。
マンションを売る不動産屋は、駅徒歩10分でもあれやこれやと魅力的に魅せてきますが、中古市場に出たらそういった広告的なものは一切なく、評価されるのは市場の相場のみ。そうなると、変えようがない立地が最重要になるのは自明ですね。
新築マンションは売主の押付価格
評価されるのは市場の相場のみ、と書きましたが、三井さんはこのようにおっしゃってました。
新築マンションは、売主からの一方的な押付け価格です。
原価がこれこれこうなっているから、この値段で買ってください、というもの。対して、中古は相場に合わせた適正な価格でしか売れません。
市場価格、ということです。
この話の真意は、購入時に高かった部屋が、リセール時に高く売れるとは限らないから、新築マンションを選ぶときは市場価格に対して適正なのか割高なのか、ということをきちんと判断してから買う必要がある、ということだと理解しました。
もちろん、中古マンションでも利益が上乗せされているものはあるので、新築に限らず、ですね。
実際、売れ行きが好調であれば、平気で1,000万上乗せするような大手デベロッパーもメジャーセブンの中にはいるようです。
もちろん、高いから買ってはいけない、ということではなく、そういうことをしっかりと把握した上で選択しないと、後で後悔しますよ、というようなニュアンスで話されていたと思います。
晴海フラッグについて
一般的に、過去にあったバス便マンションというのはどれも値下がりしているとのこと。その詳細については、三井さんが出版した「選手村マンション 晴海フラッグは買いか?」に詳しく書いてある、ということでした。
BRTは、正直走ってみないとどれくらい便利かわからないので今のところなんとも言い難いとのこと。そりゃそうですよね、十分に乗れるだけのリソースがあるかもわからないですし。ただ、朝の通勤では怪しいのでは、という気はしますよね。
ポイントは、都心との距離が近いことを活かした「タクシー」ではないかと仰っていました。
タクシー代を気にすることないほど資産を持っている人はもちろんですが、そうでない人も、通勤時に夫婦二人、さらには友人と相乗り4人で新橋まで向かえば一人あたり300-400円程度で快適な通勤ができるのでは、ということでした。
その発想はなかったので、目からウロコという感じでした。ただ、帰りはどうするのか、という問題はありますね。笑
相乗りタクシーもこれから整備されていくとのことなので、もしかしたら期待できるのかもしれませんね。
質疑応答
質疑応答がなかなか面白かったのですが、その中から特に面白かった内容を一つだけ。
固定資産税
Q. 晴海フラッグの固定資産税が、平均の85㎡で年間60万とモデルルームで聞いたが、これについてどう思うか?
A. それ本当ですか?都内の億ションクラスでも、そこまでの高値は聞いたことがない。これからどうなるのかはわかりませんが、それが真実だとするならば、なかなか売れないですし買っちゃいけないマンションですよ。
この話題は三井さんも首を傾げながら色々と話しており、その中で3回くらい「それが本当なら絶対売れない、買っちゃいけないマンション」だと話されていました。ちょっと面白かったです。
ただ、一つ希望的な話として、晴海フラッグの取りまとめをしている三井不動産は、ららぽーとなど商業施設のノウハウも豊富な会社なので、晴海埠頭にできる商業施設次第では資産性が上がる余地はある、と仰っていました。
外から人を呼び込めるような街になるのであれば、若いカップルが遊びに来て「将来はここに住みたいね」みたいな話をして資産価値が向上していく可能性はゼロではありませんね、とのことでした。
まとめ
個人的には、マンション大全で得た知識を改めて整理すると合わせて新たな発見もあり、大変面白い講演会でした。
マンションの購入を検討されている方は、「マンション大全」は本当にオススメの本ですのでご一読ください。
「選手村マンション 晴海フラッグは買いか?」はまだ流し読み程度ですが、晴海フラッグをテーマとして良いマンション、悪いマンションについて学べる内容のように思いました。